ヒトメタニューモウイルス感染症
ヒトメタニューモウイルス感染症(hMPV感染症)は、主に乳幼児や小児に発熱や咳、鼻水、喘鳴(ゼーゼーする音)などの呼吸器症状を引き起こすウイルス感染症です。風邪に似た軽い症状から、肺炎や細気管支炎などの重い症状まで幅広く、特に1歳〜3歳未満のお子さんで多く見られます。
このウイルスは、2001年に比較的新しく発見されたもので、インフルエンザやRSウイルスと同じように、冬から春にかけて流行しやすいという特徴があります。
当院(内田こどもクリニック・練馬区下赤塚)では、小児科・感染症専門医としての知見を活かし、ヒトメタニューモウイルスによる症状にも的確に対応しています。感染予防から、検査、治療の説明まで、保護者の方が安心できるよう、丁寧な診療を心がけています。
ヒトメタニューモウイルス感染症の症状について
ヒトメタニューモウイルス感染症は、軽症の場合は一般的な風邪と見分けがつきにくいこともありますが、以下のような症状が特徴的です。
主な症状
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発熱(38〜40℃程度が数日続くことがあります)
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咳、痰
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鼻水、鼻づまり
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喉の痛み、声がれ
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呼吸が早い、ゼーゼーする(喘鳴)
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食欲不振、ぐったりする
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嘔吐や下痢を伴うこともあります
重症化のサイン
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呼吸が苦しそう
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顔色が悪い
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水分が摂れない
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機嫌が極端に悪い、反応が鈍い
特に、1歳未満の赤ちゃんや、喘息や心臓病などの持病があるお子さんは重症化しやすいため、注意が必要です。
ヒトメタニューモウイルス感染症の原因について
この感染症の原因は「ヒトメタニューモウイルス(Human Metapneumovirus)」というウイルスです。RSウイルスと似た構造を持ち、同様の呼吸器症状を引き起こします。
感染経路
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飛沫感染・・咳やくしゃみによる感染
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接触感染・・ウイルスの付着した手や物(おもちゃ、ドアノブなど)を介した感染
保育園や幼稚園、家庭内での兄弟間での感染がよく見られます。一度かかっても免疫は一生続かず、再感染することがあります。
ヒトメタニューモウイルス感染症の病気の種類について
ヒトメタニューモウイルスに感染すると、さまざまな呼吸器の病気を引き起こす可能性があります。
| 病名 | 説明 |
|---|---|
| かぜ症候群(上気道炎) | 軽い喉の痛みや鼻水、咳など |
| 細気管支炎 | 乳幼児に多く、ゼーゼー音や呼吸困難を伴います |
| 気管支炎・肺炎 | 高熱、強い咳、呼吸苦などが見られ、入院が必要になることも |
| 中耳炎 | 鼻水が続くことで耳に菌が入り、中耳炎を併発することがあります |
ヒトメタニューモウイルス感染症の治療法について
このウイルスに対する特効薬やワクチンは現在のところ存在しません。そのため、治療は基本的に「対症療法」が中心です。
対症療法の内容
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解熱剤(高熱やぐったりしているときに使用)
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咳止め・去痰薬
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吸入治療(喘鳴が強い場合)
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点滴や補液(水分がとれない、脱水傾向がある場合)
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抗生物質はウイルスに効かないため原則使いません
当院では、お子さまの状態をしっかり評価し、必要に応じて迅速検査や血液検査を行い、他の感染症(インフルエンザやRSウイルスなど)との鑑別も含めて診断します。
症状が軽くても乳児や基礎疾患のある方は注意が必要です。
よくある質問
Q1. ヒトメタニューモウイルスは家庭内でうつりますか?
A1. はい、兄弟姉妹や親からうつることがあります。こまめな手洗い、咳エチケットが大切です。
Q2. 保育園はいつから行っていいですか?
A2. 発熱が下がり、咳が落ち着いて元気になってから。目安は解熱後1〜2日、全身状態が良好であることです。
Q3. 大人にもうつりますか?
A3. はい、うつることはありますが、多くは軽症です。ただし、基礎疾患がある高齢者は注意が必要です。
院長より
ヒトメタニューモウイルスは、ここ数年で認知が進んできたウイルスで、風邪のように軽くすむこともあれば、肺炎のように重くなることもあります。特に小さなお子さんや持病を抱えたお子さんは、ご家庭だけで判断せず、早めの受診をおすすめします。
内田こどもクリニックでは、感染症専門医としての知識と、地域密着の小児科としての経験を活かして、お子さん一人ひとりに合わせた診療を行っています。不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
