裂肛(切れ痔)
裂肛(れっこう)とは、いわゆる「切れ痔」のことで、肛門の皮膚が切れてしまう状態を指します。排便時に硬い便や強くいきんだことで、肛門に小さな傷ができることが原因です。
とくに便秘がちな子どもや、トイレを我慢しがちな幼児によく見られます。出血や痛みがあるため、排便を怖がるようになり、さらに便秘が悪化する…という悪循環に陥ってしまうこともあります。
内田こどもクリニックでは、乳児から学童期までのお子さんの肛門トラブルについても診療しており、適切な治療と家庭でのケア指導を行っています。
裂肛(切れ痔)の原因
裂肛の主な原因は、硬い便が肛門を通るときの摩擦や刺激です。
主な原因
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便秘による硬い便
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排便時の強いいきみ
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トイレを我慢する習慣
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おむつかぶれ後の皮膚のダメージ
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食事の偏り(野菜や水分不足)
また、お子さんの肛門の皮膚は大人よりもデリケートなので、小さな刺激でも傷ついてしまうことがあります。
裂肛の症状
以下のような症状があれば、裂肛の可能性があります。
よく見られる症状
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排便時の肛門の痛み・しみる感じ
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排便後にトイレットペーパーに少量の血がつく
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排便を怖がる、泣く、我慢するようになる
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肛門に小さな裂け目が見える(診察で確認)
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時に、肛門周囲が赤く腫れる
乳児や幼児では、言葉で「痛い」と言えないこともあるため、排便時に泣いたり、トイレを嫌がる様子が見られたら注意が必要です。
裂肛の治療法
多くの場合、軽度の裂肛は自然に治癒しますが、便秘を放置すると何度も繰り返し、慢性的な裂肛になることもあるため、早めの対応が大切です。
当院での主な治療
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便をやわらかくするお薬(酸化マグネシウムなど)
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肛門の外用薬(炎症を抑える軟膏など)
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排便習慣の指導(トイレのタイミングや姿勢)
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食事・水分・生活習慣の見直しのアドバイス
とくに便秘が続いているお子さんは、切れ痔がきっかけでさらに便を我慢するようになり悪化することが多いため、**「便秘の治療が裂肛治療の基本」**とも言えます。
ご家庭でのケア
家庭でできるケアも、治癒を早めるうえでとても大切です。
ご家庭でのポイント
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水分をしっかりとる(とくに朝)
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食物繊維を含む食事を心がける(野菜・果物・海藻)
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お風呂でおしりを清潔に保つ・温める
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トイレタイムを毎日同じ時間に作る(朝食後がおすすめ)
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うんちが出ても怒らず、「頑張ったね」と褒める
痛みで排便を我慢しがちになる子も多いため、排便が怖くないこと、失敗しても大丈夫という安心感を与えることが大切です。
裂肛と間違えやすい病気
以下のような病気と症状が似ていることがあります。
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肛門周囲膿瘍(肛門の腫れ・しこり・発熱)
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痔瘻(慢性的な炎症)
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ポリープや炎症性腸疾患(繰り返す出血や腹痛)
1週間以上続く裂肛、血便が多い、腫れがひどい場合は、他の病気の可能性もありますので、医師の診察をおすすめします。
よくある質問
Q1. 裂肛は放っておいても治りますか?
A1. 軽いものであれば数日で自然に治ることもありますが、**原因となる便秘を治療しないと繰り返します。**長引く場合は受診してください。
Q2. 血が出たらすぐ病院に行くべきですか?
A2. 少量の血で、他に症状がなければ数日様子を見ても大丈夫ですが、繰り返す場合や血の量が多いときは受診をおすすめします。
Q3. おしりが痛いと言って、うんちを我慢してしまいます。どうしたらいいですか?
A3. 痛みの治療と、便をやわらかくする対策を同時に行うことで、排便への恐怖を減らします。お子さんの気持ちに寄り添った声かけが大切です。
院長より
お子さんが「おしりが痛い」「うんちをしたくない」と言い出したとき、それが単なる便秘ではなく、裂肛による痛みのサインであることも少なくありません。
私たち内田こどもクリニックでは、恥ずかしくて言い出せないお子さんの気持ちに寄り添いながら、丁寧な診察と治療を行っています。
また、「うんちを我慢しないでいい」環境づくりや、生活習慣のアドバイスもお伝えしています。
小さな傷かもしれませんが、お子さんの生活の質を大きく左右する症状です。気になる症状があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
