おねしょ(夜尿症)
「おねしょ」は乳幼児期にはごく自然な生理現象ですが、5歳を過ぎても月に数回以上続く場合は、「夜尿症(やにょうしょう)」という病的な状態として対応が必要になることがあります。
小学校入学前後になってもおねしょが治らないと、本人はもちろん、ご家族の不安も大きくなりがちです。特に合宿や修学旅行が近づくと、「おねしょを心配して楽しめない」「友達に知られたくない」と悩むお子さんも少なくありません。
内田こどもクリニックでは、小児科専門医として、お子さん一人ひとりの成長や生活背景に寄り添いながら、夜尿症の診療・相談を行っています。お気軽にご相談ください。
おねしょ(夜尿症)の原因
夜尿症の原因はひとつではなく、いくつかの要因が重なって起きていることがほとんどです。
主な原因
-
夜間の尿量が多い
・体内の水分調整を担う「抗利尿ホルモン(ADH)」の分泌が少ないため、夜に多くの尿が作られる。 -
膀胱の容量が小さい/尿をためにくい
・夜間に作られた尿をためる力が弱く、少しの尿でも膀胱が反応してしまう。 -
深い眠りで尿意に気づかない
・眠りが深く、膀胱がいっぱいになっても目が覚めない。 -
生活習慣(夜遅い食事・水分摂取など)
-
心理的ストレス
・きょうだいの誕生、入園・入学、家庭環境の変化などが引き金になることも。
これらの要因のどれが主に関わっているかを見極めることで、より効果的な治療方針を立てることができます。
おねしょ(夜尿症)によって引き起こされること
夜尿症そのものが重篤な病気を引き起こすわけではありませんが、心の面での影響は小さくありません。
お子さんに起こる影響
-
自尊心の低下(「自分はだめなんだ」と思ってしまう)
-
合宿・旅行などの行事への不安
-
睡眠の質の低下
-
着替え・寝具の洗濯などによる生活の負担
ご家族への影響
-
毎朝の洗濯や寝具の手入れの負担
-
どう接してよいかわからない
-
叱ってしまい親子関係がぎくしゃくする
このような負担を軽くするためにも、「様子を見るだけでいい」と考えず、専門的な視点での評価と対応が重要です。
おねしょ(夜尿症)の処置や治療法
当院では、お子さまの状態に応じて、段階的かつ無理のない治療を進めていきます。
1. 生活習慣の見直し(基本)
-
夕方以降の水分摂取を控えめに
-
寝る前のトイレ習慣を徹底
-
塩分のとりすぎに注意
-
睡眠リズムを整える
まずはこれだけで改善することも多くあります。
2. 夜尿記録の作成
-
毎日の排尿・おねしょの記録をつけることで、原因を探りやすくなります。
-
保護者の方と一緒に記録を見ながら治療方針を相談します。
3. 行動療法
-
「できた日」をしっかり褒める
-
スモールステップで成功体験を積み上げる
-
おねしょを叱らない、焦らせない
4. 薬物療法(必要な場合のみ)
-
抗利尿ホルモン製剤(デスモプレシン)
-
膀胱の過活動を抑える薬(オキシブチニン など)
※治療薬の使用は、年齢や夜尿のタイプに応じて慎重に判断します。
5. アラーム療法(希望に応じて)
-
寝ている間におねしょを感知するとアラームが鳴り、尿意への気づきを促す機器
-
ご家庭での管理が必要ですが、高い改善効果が報告されています
よくある質問
Q1. まだ6歳ですが、相談してもよいですか?
A1. はい。5歳を過ぎておねしょが続いている場合は、夜尿症としての評価対象になります。お気軽にご相談ください。
Q2. おねしょは自然に治るから放っておいても大丈夫?
A2. 自然に治るお子さんもいますが、小学校高学年になっても続く場合は、治療が必要になるケースが多いです。
Q3. お薬を飲めばすぐ治りますか?
A3. お薬だけで完治するわけではありません。生活習慣や心理的なサポートを併せて行うことで、より良い効果が期待できます。
Q4. 親が昔おねしょがあった場合、子どもにも遺伝しますか?
A4. 家族歴のあるお子さんでは夜尿が長引きやすい傾向があるとされています。心配しすぎず、早めのご相談が安心です。
院長より
おねしょは、お子さん自身のせいではありません。そして、「もう●歳なのに」と思い悩む親御さんの気持ちも、とてもよくわかります。
内田こどもクリニックでは、お子さまの心と身体の成長を見守りながら、夜尿症の診療を行っています。決して恥ずかしいことではありませんので、「ちょっと相談だけでも…」というお気持ちでご来院ください。
叱らず・焦らず・一緒に向き合うサポートをいたします。
